section6『蘭館』

今日は、福岡のコーヒー業界の中でレジェンドとして知られている喫茶「蘭館」をご紹介します!
僕、ナガタ建設の春田もプライベートで通っているお店なんです。

ネットで「蘭館」と検索をすると、たくさん記事が出てくるぐらい店主・田原 照淳さんはかなりの有名人!
近年、盛り上がりを見せている福岡のコーヒー業界ですが、田原さんはその火付け役と言っても過言ではない存在なんです。

2010年に「SCAJ カップ テイスターズ チャンピオンシップ」の日本大会で優勝、世界大会で3位という好成績を収めるなど、コーヒーに関する知識や資格をいろいろ持っている田原さん。

取材したこの日、お店に入ってカウンター席に座ると「今日というか、ついさっき『生豆鑑定マスター』の合格通知が届いたばかりなんです」と話しかけてくれました。

「蘭館」は1978年にオープンした喫茶店で、お店の中を見渡すと、長居したくなるベロアソファに重厚な木のテーブル、クラシカルな調度品がステキに溶け込んでいます。

「蘭館」のお気に入りポイントを挙げるときりがありませんが、僕の個人的なイチオシは、コーヒーをネルドリップで1杯ずつ丁寧に淹れてくれるところです。

今でこそネルドリップでコーヒーを淹れてくれるお店は珍しいですが、昔はネルドリップが“普通”だったとか。

田原さんにネルドリップを使い続ける理由を尋ねると「ネルドリップに使う布の素材、縫い目の間隔、糸の太さ、布の深さ、お湯を注ぐときの高さなどによって、味が変わってくるんです。自分で1つずつつくり直したり、縫い直しながら何度も何度もパターンを変えて、自分がおいしいと思うコーヒーを探求できるのがネルドリップの面白さなんですよね」と教えてくれました。

1杯ずつ、しかも手づくりで、その人しか出せない味を提供する。

田原さんは少し考え、言葉を選びながらゆっくりと「ネルドリップで抽出するために、すべてのコーヒーの工程があると思うんです」と話してくださったことが印象的でした。

コーヒーってみんなが知っている飲みものなのに、1杯のコーヒーになるまでの工程はなんとなくでしか知らない。

田原さんとお話をしていると「透明感あるコーヒー」という言葉がキーワードのように何度も出てきます。

コーヒーを淹れるときにもしコーヒーの色が濁ってしまったら、そのときにコーヒーづくりの工程を知っておくとどのタイミングで濁ったのかを生産者まで遡ることができる。

今回取得した「生豆鑑定士」の資格もそうですが、おいしいコーヒーを淹れるためには、生豆の知識やコーヒー豆の品質管理、焙煎の仕方など、工程を学ぶことが重要なのだそうです。

「蘭館ではコーヒー豆も売っているのですが、ここ数年、生豆から購入するお客さまが増えて、生豆を挽くことが減ったんです。コーヒーに関心を持つ方が増えましたよね」とうれしそうに笑っていました。


「蘭館」は「都府楼の杜」から自転車で15分ほど、「西鉄太宰府駅」から歩いて5分ほどの距離にあります。
年中無休のお店なので、田原さんの一杯を飲みにぜひお出かけください!

 

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「蘭館」 
住所/太宰府市五条1-15-10
電話/092-922-7811(10:00~O.S.17:30)
※全席禁煙
休/なし
駐車場あり
http://rankan.jp